<所得税>
子ども手当の創設や高校の授業料無償化に伴い、2010年度税制改正において扶養控除が見直されている。源泉徴収税額表自体の変更はないが、従業員の中に見直しの対象となる扶養親族がいる人は源泉徴収される税額が増加するので、給与計算担当者は注意が必要だ。今年1月以降に適用される扶養控除は、(1)16歳未満の扶養親族(「年少扶養親族」)に対する扶養控除が廃止、(2)16歳以上19歳未満の扶養控除の上乗せ部分が廃止される。
年少扶養親族に係る扶養控除は所得税38万円、住民税33万円、また、16歳以上19歳未満の扶養控除の上乗せ部分は所得税25万円、住民税は12万円だった。これらが廃止されたが、扶養親族や控除対象配偶者が特別障害者である場合に、扶養控除や配偶者控除の額に所得税35万円、住民税23万円を加算する同居特別障害者加算の特例措置は、特別障害者控除の額に所得税35万円、住民税23万円を加算する措置に改められている。
サラリーマンなどの給与所得者は、勤務する会社に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出し、会社が給料を支給する際に、その申告に基づく扶養親族等の数によって所得税が源泉徴収される。例えば、妻、長男(18歳)、長女(15歳)、次女(10歳)を扶養するサラリーマンで1月の給料が35万円(社会保険料控除後の金額)の場合、扶養親族等はこれまでの4人から2人に減少し、源泉徴収税額は3890円から7060円へ増加する。
なお、住民税における年少扶養親族の扶養控除の廃止等は、2012年度分(特別徴収の場合、2012年6月から2013年5月の給料天引き分)からの適用となる。また、2011年度税制改正においては、23〜69歳の親族を適用対象とする成年者扶養控除が、年収が568万円(所得400万円)以上の納税者は適用が廃止される(ただし、障害者や65歳以上の高齢者、学生については引き続き扶養控除の対象)。個人所得課税は年々強化される。
”会計事務所トータルバリューサービス”より