「なぜ、目標が達成されないのか?」どれだけ目標設定に時間をかけ、具体的な行動計画に落とし込みをしても、なかなか達成されない目標に常にフラストレーションを感じている企業が多い。目標には「達成する目標」と「達成しない目標」があるのだが、その違いは一体どこにあるのか?

その違いは、達成する目標には「達成する条件が備わっている」ということであり、この条件を備えることが目標達成の確率を高めるポイントとなる。

例えば、営業で新規開拓の目標を達成するには、「ニーズのある見込み客」「差別化された商品力と納期対応力」「営業担当者の商品知識」「効果的なプレゼンツールとプレゼン技術」「熱意」「担当者の性格と相性」などの条件をそろえておくことによって、新規開拓という目標達成の確率が上がっていく。

ちなみに、職場におけるコミュニケーションノウハウとして「コーチング」を取り入れている企業も多い。コーチングの定義は「目標達成を促進させるコミュニケーション技法」である。

つまり、現場情報を持っている社員とのコミュニケーションを通じ、部下である社員自身に目標達成に向けた条件を考えさせるのがコーチングの「あるべき姿」であるということだ。部下の立場から見ても、自分自身で考えた条件(行動目標)なので、前向きに行動する動機づけになる。

しかしながら、前・楽天イーグルス監督の野村克也氏が言うように「勝ちに不思議の勝ちあり」という場合も多く、「目標を達成するための条件が十分にそろっていなくても目標達成が実現する」ことがあるのも事実である。しかしながら、たまたま達成した目標は一過性のものが多く、継続的な成果につながらない。

重要なのは、いかに目標達成の条件をそろえる体質を構築するかである。そのための着眼点を次に示す。

1.現場社員のモチベーションに配慮し、コーチングを通じて部下の考えを引き出している
2.リーダー自身が定期的に現場に足を運び、情報をつかむことが仕組み化されている
3.結果管理だけでなく、プロセス管理(勝ちパターン)が確立されている
4.過去の自社の成功要因はもちろん、同業ライバルや異業種の成功企業の勝ちパターンを常に収集・分析している
5.変化に対する対応力があり、常に新しい方法を取り入れることに積極的である
自社の実情と照らし合わせて確認していただきたい。

提供:株式会社タナベ経営
                             
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