利益計算が間違っているのでは決算のたびに腑に落ちません。利益がでていると言われるのに、カネがありません。挙げ句に納税のために借金までする始末です。何か納得できません。
タイミングの違い
損益計算は、売上 (収益)から仕入や諸費用を差し引いて計算しますが、おカネの動きとは別の物です。物品の販売では相手方に物品を引き渡したときに売上(収益)として捉えますが、現金売買でないとその場でおカネは入ってきません。いわゆる掛売(かけうり)では、月末締めの請求で翌月20日払いなどと決められた決済条件で後日おカネが入ってくることになります。決済が手形ということになると、さらに数ヶ月後にならないとおカネを手にすることができません。
また商品を仕入れてから売れるまでに期間(在庫期間)を要するものです。商売繁盛だと先行して仕入をするようになりますし、売れるほどに売掛金残高も膨れます。売上に先行しておカネが支出され、売上に遅れておカネが入ってくることが、カネがないことに大きく影響しています。
損益と無関係な支出も
固定資産を購入しても費用に直結しません。購入代金が一括払いであれ、分割払いであれ、減価償却を通して耐用年数に渡って費用化されます。
借入金の返済によるおカネの支払はまったく利益計算には無関係です。借り入れたときの入金が収益でないのと裏返しで、返済時も費用になりません。やっと利益が出せるようになったら、それまでの借金の返済が待っていた、などというのはよくあることです。