構造転換期、企業が「永続発展」を目指す上で、大胆な組織の再構築が必要になる企業も少なくない。「組織は戦略に従い、戦略は環境に適応する」からだ。

ただし、企業は「人」がいなければ、そもそも成り立たない。主役が人である以上、次に挙げる組織編制の「4つの基本」を踏まえずして、成果を期待することはできない。

第1の基本:規律ある組織・業績は正しい規律から生まれる

決めたことを3日間放置すれば厳しくその理由を問い、即座にやらせるA社。「提案への代替案を2回連続で出さない場合、会議に出なくてもよい」とするB社。共に高業績を堅持している。当たり前の基本にこだわること、つまり「規律」ある企業をつくることが、成果へのスタートラインとなる。

第2の基本:抜擢(ばってき)人事の断行

永続発展に挑戦している企業は、変革のタイミングで「抜擢人事」が行われてきた確率が高い。ただし、抜擢人事の半数は成功していないという現実も直視しなければならない。多くの場合、成果を挙げた人を抜擢するにもかかわらず成功しない理由は、「出世した能力」と「出世してから使う能力」が同じでないことへのトップの理解不足にある。 

第3の基本:役割開発(地位と報酬は有限しかし、役割は無限である)

人は、地位や報酬によって動機づけられる。したがって、組織の成長に合わせポストを配分し、ソロバンの許す限り分配を行う必要がある。しかし、「地位」と「報酬」は有限である。大切な事は、「役割開発」は「無限の可能性」につながると考える姿勢にある。

あの人材を活かす役割は何か?トップが常に「役割」をつくり出し、個人に使命を与えることに腐心する「役割開発のプロ」である組織は、例外なく強い。

第4の基本:「評言(評価と言動)」の一致

「人は評価表で動くにあらず、あなたの言動で動く」。このことを真に理解しなければならない。いくら評価表(方針)に「利益で評価する」と記してあっても、トップが「売上げを上げよ」と言えば、部下は利益より売上げを優先して動く。したがって、トップ自身の言動と評価表の内容が一致しているかを、常に確認することが欠かせない。

                                           ” TVS-トータルバリューサービス”より