地租改正
大蔵省が1869年に設置されて、それまで年貢という形で税金を徴収していたのを、所有する土地を課税対象にお金で納める形(地租)に変更したのが、1873年の「地租改正」です。
明治政府は、土地の測量と収穫高の調査を行って、所有者と土地の価格を定め、所有者に土地の価格を記載した証書(地券)を交付しました。
そして、その証書にもとづいて、土地の価格の3%を現金納付としました。
(後に、地租改正反対一揆が各地で発生して2.5%に引き下げ)
税金は政府と国民との約束なり
とここまでは、よくある歴史教科書的な話なのですが、実はこの地租改正の前年に発表された福澤諭吉「学問のすすめ」で、こんな下りがあるのです。
「政府は法令を設けて悪人を制し善人を保護す。これ即ち政府の商売なり。この商売をなすには莫大の費なれども、政府には米もなく金もなきゆえ、百姓町人より年貢運上を出して政府の勝手方を賄わんと、双方一致の上、相談を取極めたり。これ即ち政府と人民との約束なり。」
「政府は法令を設けて悪人を取り締まり、善人を保護する。しかし、それを行うには多くの費用が必要になるが、政府自体にそのお金がないので、税金としてみんなに負担してもらう。これは政府と国民双方が一致した約束である。」
この文章が、地租改正に影響したのかどうかは不明ですが、
「なぜ税金って納めなあかんの?」
ということに対するわかりやすい回答ですね。
【お互い】、約束を破らないようにしましょう。
税務会計情報ねっ島TabisLand マネー・税金コラムより