企業の安全性を計る経営指標に自己資本比率があります。
貸借対照表の左側(借方)の資産の部は企業の財産の状況を表しており、その総額を総資産と言います。一方右側(貸方)の負債の部と資本の部はその財産を取得する為の資金の出所を表しておりその総額を総資本と言います。
そして財産の取得結果を表した総資産と取得原因を表した総資本はその合計額が必ず一致します。
自己資本とは
総資本の内、いずれ返済したり、支払ったりして他人に支出しなければならないものを、負債の部に表示し、これを他人資本と呼びます。残りの返済や支払の必要のないものを資本の部として表示し、これを自己資本と呼びます。
自己資本は大きく株主から出資を受けた資本金と、利益の積立である剰余金とに区分されます。
自己資本比率は(自己資本÷総資本)×100で計算されます。
この自己資本比率が高いと言うことは、返済の必要のない自分のお金で資産を取得していると言うことを表している為、安全性が高いと評価されております。
ちなみに、全国約2.5万社の財務省のアンケートによる、平均の自己資本比率は30.1%です。(平成18年9月発表)
しかし中小企業の財務指標(平成17年度版 経済産業省編)では
建設業 14.1%・製造業13.1%・情報通信業 22%・運輸業 13.5%・卸売業 13.2%小売業 7.1%・不動産業 11.9%・飲食業
1.3%・サービス業 16.7%となっております。かなり低い数字ですが、日本の中小企業には、同族会社が多く、社長や親族からの実質的に返済不要の借入金が負債に含まれていることが想定されます。